朗読劇「バイオーム」を見てきました@池袋、ブリリアホール

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上田久美子 作。今年、宝塚歌劇団を卒業した演出家です。この方の、芝居の作り方、心をわしづかみにしてブンブン揺さぶってくるようなところがあって、私はかなり好きです。で、歌劇団をやめて最初の作品が「バイオーム」というわけです。これは、見るでしょ。

政治家のおうちの、ドロドロした話なんだけど、庭の植物がその顛末を見守っているという形式で、なんとなく絵本のような「おはなし」という雰囲気になっている。

舞台装置が美しい。長くつるされた紐がゆらゆらとゆれている。そこに、映像が映され、場面が表現される。紐なので、後ろの幕(かな?)にも投影されて、奥行きが出て、不思議な効果。音楽は最小限に控えめながら、すごく効果的で、印象的に使われていた。

キャストが大変豪華です。中村勘九郎、花總まり、古川雄大、麻実れい…。もう、この大物な俳優たちの演技がすごい。朗読劇なので、最初は本を持っているのだけど、だんだん本はなくなってしまって、最後にはただの芝居になっていた。すばらしい芝居のせいか、脚本や演出の力なのか、かなりシンプルな舞台なのに、3時間、飽きることがなかったです。

花總まり演じるレイコが、すごくかわいそうなだけの役でした。誰も愛することができず、政略結婚させられて、精神を病み、最後は自殺。ただ、誰(どの役)が一番幸せかと考えるのも、無駄かなと思っちゃうくらい、全員に救いのない話だった。植物も最終的にはすべて切られてしまうし。

が、妙に、すっきりとした気持ちで、なんかいいものを見たなーと思いながら帰路についたのも、不思議な感じでした。