花組「うたかたの恋」@東京宝塚劇場。初日の次の日に見ました。

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とりあえず感想(良かった)


昭和の名作。「お前を清らかなままでおこうとした誓いを、自分で破ろう」という名ゼリフ(エロい)が聞けて良かったわ〜。舞台や衣装などはものすごくヨーロッパなのに、セリフが古風なのが、古い宝塚の感じ、すごくあって良い…。いっしょに行ったお友だちは、この作品(月組)で「宝塚にハマった」と言ってました。行けて良かったね!(私は「ミ―アンドマイガール」! これも月組版が初見、花組再演で見たのも一緒だ)

お芝居がすごく良く、引き込まれました。あと柚香さんとまどかちゃんのトップコンビの美しさよ。ポスターのとおりの美貌で歩き、歌い、踊るのが本当にすごい。水美さんはどの場面でも出てくるとキリっと引き締まって、良かったです。専科に行くのは寂しいなあ。水美さんのまっすぐな感じがとても好きだな、と改めて感じました。花組、前回の「巡礼の年」もすごく良かったな〜。巡礼は、ブルーレイ欲しい。

大劇場ならではの、舞台が回って緊迫感を出すなどの演出や、豪華な大道具なども良かったです。

ショーは、「ENCHANTEMENT(アンシャントマン) 」野口先生の演出。以前見た「デリシュー!」がなんかめちゃくちゃ圧がすごかったので、雰囲気が似てて、少しやさしめになったような印象でした。それにしても、舞台の密度がすごい。横(X方向)に並び、縦(Y方向)に並び、さらに上(Z方向)にも並び、視界のすべてを着飾ったタカラジェンヌが埋め尽くすという、どこを見てもキラッキラのショーでした。

うたかたの恋、について


それはさておき、舞台を見て数日、「うたかたの恋」のことをつらつらと考えていました。よい舞台は、心に残るよね。

ストーリーは有名なのでネタバレしますが、皇太子ルドルフとマリーが心中するお話です。舞台は、「その日の」約束を交わす二人のシーンから始まり、ルドルフは政局的にも精神的にもどんどん追い詰められていき、マイヤーリンクの別荘で二人は死んでしまう。

若く美しいマリーがそばにいてくれことで、孤独な皇太子はひとときでも心慰められたことでしょう。皇太子がマリーを求める理由は分かる気がするけれど、マリーが命までも差しだしてしまう理由が、わからない。それは恋だけだったのだろうかと考えてしまう。

ふたりのあいだには燃え上がるような恋心があった。若さゆえにその炎は命を燃えつくすほどに強かったということ? いや、マリーはどこか冷静に、死を受け入れているように思う。「私たちに将来はあるのでしょうか…」というセリフや、遠くを見つめるようなまなざし。でも、いつ、何がマリーに死を決意させたのかは、私には謎だ。

物語の元となった「マイヤーリンク事件」の真相も謎に包まれたまま。なのでこの話自体も、空想にすぎない。でも、こういった悲恋を遂げる話は、宝塚ならではの、この世ならないような美しさがぴったりだなと思う。セリフに選ばれた言葉も美しく、さすが名作だなと思いました。