2023年5月8日の5類移行をもって、なんとなくコロナ禍の収束という雰囲気が世の中全体にあふれてきたように感じる。ここ3年の「コロナ禍の合唱」ということについて、感じたことなどをまとめておこうかなと思う。

私は合唱ファンでもないし、歌う側でもなく、ただ身の回りに合唱をやる人が多いというだけなのだけど、メモ的に。(娘ふたりが合唱をやっていて、その流れで自分も児童合唱団の手伝いを10年くらいやってる)

いろいろ流行った(オンライン合唱、合唱用マスクなど)


2020年のコロナ禍初期には、「合唱は飛沫が飛びやすいから、コロナが移りやすい活動のひとつ」と言われた。それで、さまざまな合唱団がいっせいに活動を休止した。

2020 年 6 月 、全日本合唱連盟がガイドライン第 1 版 を出し、人どうしの距離については、最低1m間隔を取れば、練習可能であるとした。そうなると、これまでより広い練習場が必要になり、また自治体の練習場では「歌禁止」という場所も多く、場所の問題で練習が困難という事態になった。ガイドラインを守ろうとすると、なかなか練習会場が見つからない…。

コロナ禍の合唱


練習ができない状況が続くので、自宅で歌った動画を集めて「オンライン合唱」を作るのが流行った。これは合唱に限らず、バンドとか吹奏楽でも流行って、「こんな大変な時代に、音楽を愛する人がたくさんいる!」と思って、私もけっこうじーんときたものだ。

合唱用マスク

あと、いくつかのメーカーが布製の合唱用マスクを作った。何かの舞台出演のときに全員買うことになり、けっこう高かった記憶…(2000円弱)。今、うちのタンスの中で静かに眠っている…。

こういったことも数年したら懐かしいくらいに語られるのかもしれない。(いや、もうすでに懐かしい感じがしている)

合唱でクラスターは発生したのか?


幸い、私の知る範囲の合唱団でクラスターが出たという話は聞かなかった。マスク外してOKな雰囲気になってから(2023年の春以降)は、遠くでいくつか聞いたかもしれない。

コロナ禍まっただなかの2021年、クラスターが出た団体(児童合唱団)の詳細な報告書が出ていたのが興味深く、読みました。ざっくりまとめると、練習時はガイドラインを守っていたけど、練習前後の自主練や、メンバーとお買いものに行くなどの活動で感染したということでした。

合唱って、仲良くないとできない(イメージ)。一緒に歌うという目標をもって、練習をするうちに仲良くなるんだろう。合唱団内で結婚して、ご夫婦で合唱に関わっている人も珍しくない。また、幸福度の高い趣味という研究結果も出ているらしく(出典を失念しましたが…)、メンバー同士が親しいというのは納得するよね…。感染するから仲良くするなっていうのも、酷な話だな、と思った記憶がある。

この報告書、大変貴重な資料なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

2021年8月に発生した、新潟市ジュニア合唱団内における新型コロナウイルス集団感染に関する検証報告書について


コロナ禍の合唱練習、試行錯誤


数か月の自粛後、「このまま休止するわけにはいかない」と、オンラインの練習をやってみる団体が出てきた。音楽の練習は、回線を経由するタイムラグの問題があり、いっせいに歌うことはできない。おのおのがミュートで歌う/または誰かひとりだけが音を出す方法だ。

手伝っている児童合唱団でもオンラインの「練習」を何度かやったが、先生たちはどうもやりづらい感じだった。子どもたちも、自宅で親の前で歌わなくてはならず、これを推し進めようという雰囲気はあまりなかった。私も、子どものためにいちいちzoomの端末と場所を設定するのが多少めんどくさかったなという印象。

児童合唱団では、最終的には、やっぱり集まって練習するということに落ち着いた。マスクあり、換気&消毒しながら、というスタイル。時期はバラバラでも、多くの合唱団がそうやって、おそるおそる練習を再開していたように思う。マスクをして歌う問題は、声がこもってしまうこと、口が動かしづらい、またマスクがずれるので集中力が途切れやすいという欠点があるように見えた。

学生(大学生)の団体では、2年間活動を止めると、部が消滅してしまったところをいくつか聞いた。活動ができても、「練習方法」「運営(ホールや練習場所、予算などの管理)」の引継ぎがうまく行かない部が多く出てきたようだ。それをフォローするために、2023年現在、全日本合唱連盟が「大学合唱団運営セミナー」というワークショップを開催している。

特にまとめ的なものはない

マスク着用は任意になり、感染/クラスターなどが出ないかどうかは、まったくないとは言えないだろうなと思うけど…、これからどうなるんだろうな、何も起こりませんように、と祈るしかない。

お手伝いしてる児童合唱団、いろんな子供がいて、目立ちたがりの子、おとなしい子、それぞれフラットに参加できるのが合唱の魅力だと思っている。争わず、みんなで作る音楽。コロナ禍初期のころ、まっさきにやめていった子たちは、今どうしてるかなあと思う。みんな、いろいろな事情があって、仕方なかったのだろうけど。またどこかで楽しく歌っていますように。
合唱イラスト1